対人賠償保険は任意保険の中でも、一番大切かつ最も必要な保険と言えます。対人賠償保険は、事故によって第三者である他人に対して、死傷させ賠償責任が生じたとき、補償金額が自賠責保険の保険金額で不足する場合は、その不足する部分が支払われる保険です。
しかしその対人賠償保険の加入率は、約8割強前後のとどまっているというのが実情のようです。つまり、走っている車のうち、10台に2台弱が対人賠償保険に加入していない未加入車ということになるわけです。仮に対人賠償保険に未加入の人が交通事故をおこし、相手を死亡させた場合は、自賠責保険限度額の3,120万円までしか負担できないことになります。自賠責保険だけでは運転者本人にとっても、被害にあった人にとってもそのリスクは大きなものになる可能性があります。こういった無保険車が交通事故を起こした場合の保険として、無保険車傷害保険というのがあります。
対人賠償保険の保険金額の設定には、２つの方式があります。一つは被害者1名の金額を設定する方法と無制限に設定する方法とがありますが、１事故については、すべて無制限となっているものもあります。ただし、あくまでも第三者である他人が対象となりますので、自動車保険契約の加入者本人や加入者と同居している夫婦や親子といった家族、そして加入者の同意、了承を得て運転した人などへの賠償については保険金支払いの対象から除外されます。その他にも賠償の対象外となるケースもありますので、事前に自動車保険会社に確認しておくことが必要です。
いずれにしても車を運転する場合は、対人賠償保険は過失割合にもよりますが事故に対する賠償責任により、高額な補償が生じる可能性がありますので、必ず無制限で加入することが必要となります。