人身傷害補償保険の基本は車を運転する自分自身の体についての補償を考えた保険だということができます。この人身傷害補償保険が商品として市場に出回るようになってから、まだ年数は浅いです。この商品は当初、自動車保険契約の特約としての取り扱いをされていました。今では保険会社各社の自動車保険の基本補償としての必要性から、初めから任意保険のセット商品としての取り扱いがされることが多くなっています。一般的に、運転者自らのミスや不注意による単独事故や他人の車と事故を起こした場合、自らの過失による責任の部分、簡単に言えば自分がどのくらい悪かったのかについて責任の割合を決めることになります。自らの責任の割合が大きい事故の場合などは、相手から充分な傷害補償が期待できないことになります。そこでこのような場合にも、入院・通院などの治療費の補填が可能なものとして作られたのが、人身傷害補償保険であり、この保険の特徴と言えます。
人身傷害補償保険が運転者本人や車の同乗者が傷害に遭ってしまった場合に、一緒に車に乗っていた人を補償するための保険という点では、搭乗者傷害保険と類似する部分があると言えます。しかし人身傷害補償保険は搭乗者傷害保険よりもスムーズかつ十分な保険金を受け取れるという点が大きく異なります。スムーズな点というところでは補償についての示談交渉が終わるのを待つことなく、保険金額を限度に支払われることになります。また搭乗者傷害保険の支払いが定額をベースにしたものであるのに対して、人身傷害補償保険は、その実費をベースにした支払いであるという点で大きな違いが見られます。
この他にも店舗等の営業損失を初め精神的苦痛や障害、また慰謝料などもカバー、支払の対象になるなど、充実した補償内容となっています。