交通事故を起こし、相手の自動車や物などに損害を与えた場合には、損害賠償責任を負担しなければなりません。しかし、自賠責保険では物に対する一切の補償、保険金の支払いはされません。このため対物賠償保険に加入していない場合は、損害を与えてしまった賠償金額の補償・支払いは、全て自己負担でおこなうことになります。また任意保険では、対人賠償保険が補償される対象が人であったのに対して、対物賠償保険は、補償される対象が物であるということになります。
一般的に自動車事故で他人の自動車や物を壊してしまった場合の対物賠償の対象となる損害には、2つの種類があります。一つは直接損害と呼ばれるもので、事故によって壊れた自動車や建物や店舗、構築物の修理費用を負担したことによって生じる損害のことをいいます。対象となるものとしては修理にかかった費用などが該当します。もう一つは間接損害と呼ばれているものです。事故によって自動車や建物や店舗、ガードレールや標識、塀などの構築物などが壊れたことによって生じる間接的な損害のことをいいます。対象となるものとしては店舗・営業所などの営業休業・営業への影響による損害や個人やタクシー会社などが代車を手配するためにかかった費用などが該当します。このように対物賠償保険では、物や物以外に対する損害も補償の対象になります。
対人賠償責任保険についても同様なことが言えますが、対物賠償保険でも他人の物というところがポイントなっており、自分や家族の物は支払いの対象とはならないということですので、注意が必要です。いずれにしても対物賠償保険は、対人賠償保険とともに必ず加入が重要な保険といってもいいと言えます